【女性をめぐる理不尽を描く映画『シスター 夏のわかれ道』】自分の人生決めるのは自分 姉弟の迫真の名演技が胸を締め付ける!
(出典 movieimpressions.com)
この記事を読むのにかかる時間: 4

『シスター 夏のわかれ道』自分の人生決めるのは自分 姉弟の迫真の名演技が胸を締め付ける!女性をめぐる理不尽を描く映画・・・

現代の中国で自立して働きたい女性をめぐる理不尽を描く、映画『シスター 夏のわかれ道』が11月25日、全国公開されます。

自分の夢をかなえるのか幼い弟の世話をするのか…。

選択を迫られたヒロインが悩みながら答えを出す。

映画「シスター 夏のわかれ道」は経済大国中国に生きる家族・親族をリアルに描き、「自分の人生を決めるのは自分しかいない」と、静かにメッセージを送ります。

2021年に公開後、交流サイト(SNS)で評判が広がり、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」などのハリウッド大作を超える興行収入を記録しました。

中国共産党が推し進めてきた「一人っ子政策」がもたらした“望まれなかった娘”。

アン・ランは看護師として忙しい日々を送っています。

彼女は医者を目指していて、北京の大学院へ進学しようと仕事の合間にも猛勉強をしています。

(出典 i.ytimg.com)

家族への複雑な思いを抱える彼女の前に、身寄りがなくなった弟が突然現れます。

彼女の弟だという6歳の男の子・ズーハンと生活することになりました。

アン・ランは高校を出るとすぐに実家を離れ、学費と生活費を稼いでひとりで生きてきました。

人生設計をかき乱された彼女は、自分の人生を生きるか、姉として生きるか、選択を迫られることになります。

2021年の清明節に合わせた4月に中国全土で公開され、低予算映画ながら中国の興収ランキングで2週連続1位、興収171億円を突破する大ヒットを記録。

同時期に公開された中国映画『私のお母さん』同様、女性監督が手がけた感動作として話題を集め、その年の中国の主要な映画賞をにぎわせるなど、高い評価を受けた映画『シスター 夏のわかれ道』が11月25日より全国公開されます。

医者になるために北京の大学院進学を目指し、勉強に励んでいた看護師のアン・ランは、実家を離れ、自分で学費と生活費を稼ぎながらひとりで生きてきました。

ところが疎遠だった両親が交通事故で急死。

彼は一人っ子政策下で生まれたアン・ランが大学生になったときに、アン家の跡継ぎを強く望んだ両親がもうけた子どもだったのです。

彼女が大学生のときに生まれたのがズーハンで、アン・ランは今まで自分に弟がいるのを全く知りませんでした。

アン・ランはズーハンを養子に出すことにします。

里親が見つかるまで仕方なく面倒をみるのですが、年が20歳も離れているズーハンに自分の弟だという実感が湧かず戸惑います。

ズーハンは両親が死んだことを理解できず、ワガママばかりです。

(出典 images.microcms-assets.io)

葬儀に集まった親戚たちは、身寄りのなくなった弟のズーハンは、実の姉であるアン・ランが育てるべきだと押しつけるが、医師として生きる道をあきらめきれないアン・ランは「弟は養子に出す」と宣言。

だが養子先が見つかるまではということで仕方なく、しばらくはズーハンと同居し、面倒を見ることに。

朝食で「肉まんが食べたい」と言って泣き出し、気に入らない弁当をベッドに撒き散らします。

アン・ランは一人っ子政策のもとで生まれましたが、両親は男の子を望んでいました。

父親はアン・ランに厳しく、暴力をふるうこともありました。

一方でズーハンは待望の長男として愛情を受けて育ちました。

アン・ランの暮らしは弟に振り回され、人生計画が狂い始めました。

同じ職場にいる恋人は、彼女の様子を見てピントはずれの助けを出して、イライラさせます。

アン・ランはストレスの限界で爆発寸前。

(出典 d17egyts7igch8.cloudfront.net)

こうした中、知人からズーハンの里親候補となる夫婦を紹介されます。

裕福そうで物腰が柔らかく、ズーハンを気に入ってくれたようです。

ところが親戚たちはこれを破談にさせようと結託し、姉が幼い弟を養育すべきだ、とアン・ランを責め立てました。

アン・ランには、だんだんと弟を思いやる気持ちが生まれ、母親のような感覚も芽生えていきます。

北京で医者になるという固い決意が揺らぎ始め、彼女は葛藤します……。

(出典 numero.jp)

この映画の背景にあるのは一人っ子政策です。

中国で急激な人口増加を抑えるために1979年から2015年まで行われたもので、夫婦1組につき子どもは1人までと制限され、違反すると厳しい罰則や重い罰金が科されました。

第一子が非遺伝性の身体障がいを持つ場合は例外的に第二子の出産が認められることがあったということで、今作にはアン・ランが役場の職員の前で障がい者のふりをするように父親から命じられるシーンが出てきます。

現代の中国でも、家を継ぐのは男だとして男子を尊重する伝統が根強く残っていて、高齢者福祉が十分でないことから「老後は子どもに面倒をみてもらいたい」と考える親が多いそうです。

娘は将来結婚して親元を離れてしまうため、男の子が生まれるのを望む傾向が大きいと指摘されています。

今作への共感が家父長制に影響を受けている女性ら若者を中心にSNSで広がり、中国で興行収入170億円を超えました。

2021年に公開されたのですが、同時期中国公開のハリウッド作品を超える大ヒットです。

主人公のアン・ランに扮するのはチャン・ツィフォン。

中国で次の世代を担うスターで、四川省成都の方言を完璧にマスターして撮影に臨んだそうです。

弟のズーハンを演じる子役はダレン・キムで映画初出演。

撮影当時は4歳半でしたが、6歳の役柄として自然な演技を披露しています。

監督はこれが2作目のイン・ルオシン。

彼女は今作に“自分の人生は自分で選ぼう”というメッセージを込めたといいます。

(出典 realsound.jp)

女性は家族を支えるだけの存在なのか、「女性が天の半分を支える」という毛沢東の言葉はいったいどこへ行ったのか。

アン・ランのいらだち、生きづらさは、今も矛盾だらけの中国だけでなく、日本でも多くの共感を得るはずです。

映画『シスター 夏のわかれ道』は11月25日から公開されています。

※上映日程は、作品の公式サイト・劇場情報でご確認ください。

『シスター 夏のわかれ道』

11月25日(金) 新宿ピカデリー、 ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
監督:イン・ルオシン
脚本:ヨウ・シャオイン
出演:チャン・ツィフォン、シャオ・ヤン、ジュー・ユエンユエン、ダレン・キム
2021年/中国語/127分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:我的姐姐/日本語字幕:島根磯美
配給:松竹 

 

『シスター 夏のわかれ道』に関連する動画

「シスター 夏のわかれ道」11/25(金)公開 60秒予告【公式】 – YouTube

(出典 Youtube)

『シスター 夏のわかれ道』についてTwitterの反応

寒川 亘揮
@samukawa_cinema

『シスター 夏のわかれ道』素晴らしかった…終盤 滝のように降る雨は、それまで詰まってたものを洗い流してくれるようで清々しいけども、ラストまでピーカンに晴れることはなく降り続ける。彼らの進む道はまだ険しい…悔しさの味だ… https://t.co/LfpkbkXhX9

2022-12-03 17:01:30

(出典 @samukawa_cinema)

Teeth
@teethinurarea

シスター夏のわかれ道(我的姐姐)観終わりました。いい映画だった…胸がいっぱい あの後どうなるんだろうなあ、でもきっとどうとだってできるんだろうなって思った 弟が可愛い………

(出典 )

2022-12-03 16:49:57

(出典 @teethinurarea)

llama
@roatnek

きのう観に行ったのは『シスター 夏のわかれ道』です。すごくよい映画だったのでみんなも観てね。自分が映画を観る目的のひとつに「映画を通して知らない世界・文化を知れる」ことがあるんだけど、『シスター』は正にそういう一本でした。これは現… https://t.co/8UeiP6ru8E

2022-12-03 16:25:52

(出典 @roatnek)

さとたつ
@tatsu515mi915

シスター 夏のわかれ道泣きました…。自分の夢を叶えて、自分の人生を自分で歩むか、弟の世話をするかの人生の選択。自分の生きたいようにさせてくれない世の中で生きることは苦しい。その中で見つけた唯一無二の感情…その先に選んだ道は…。… https://t.co/abEFcvEH4Y

2022-12-03 13:04:36

(出典 @tatsu515mi915)

YAMAMOTO
@kinokoYAMAMOTO

中国映画✨(おそらく人生初⁇)【シスター 夏のわかれ道】観てきました✨友人2人とも長女とのことで共感できるところは多かったそうです💡(私末っ子なのでわからなかった🤣)知らない世界を知ることの出来る映画はやっぱりい… https://t.co/Sq9g8g3fNj

2022-12-03 12:14:57

(出典 @kinokoYAMAMOTO)

おしん
@shin0ing

シスター 夏のわかれ道を観た。いろいろ考えさせられる見応えのある、良い作品でした。あっ隣でまた泣いている笑。切なくなるシーンはあるが、少しずつ育まれてく姉弟愛には、かけがえのない大切なものを感じた。兄貴に電話するかぁ笑。… https://t.co/RKO8ouLEB4

2022-12-03 11:57:13

(出典 @shin0ing)

Minatoo
@Minatoo80s

シスター 夏のわかれ道中国の一人っ子政策と家父長制の犠牲にされてきた主人公。女だからと無視され、好きな進路も選べない。同じ経験を経てきたおばさんとの女性どうしの連帯が心地よい。スイカの食べ方ー!弟のワルっぷりもリアルで良い。https://t.co/EkXpkYPWQD

2022-12-03 11:23:34

(出典 @Minatoo80s)

akr
@akr40416028

どこまで狙ったかはわからないが『シスター 夏のわかれ道』は (いわばゲームモデルとしての) 家父長制が…というだけの映画では全くない。看護師の生活には (「医者になれば?」) 差異が複数としてつきまとい (伯母と介護/叔父とジャケ… https://t.co/4ihX4VFS2B

2022-12-03 00:09:49

(出典 @akr40416028)

aomeyuki
@aomeyuki

「#シスター 夏のわかれ道 」続き。正直中盤以降の主人公と弟の行ったり来たりの繰り返しについては、若干退屈さもあったけど、それはそれとして思い悩み、一歩づつ真摯に進む若者の姿としては納得のいくものだった。それに加えて叔母さんや叔父さん、事故の相手親子等のキャラの描写が上手い。

2022-12-02 22:30:00

(出典 @aomeyuki)

aomeyuki
@aomeyuki

「#シスター 夏のわかれ道 」続き。長編作品として2作目の若い女性が同性代の女性脚本家と組んで作り上げた映画だとか。若い才能はどんな場所にもいるし、その視点から見える世界を映画という形で知ることができるのは嬉しいかぎり。中国に於ける表現という行為へのあり方の一旦も知る事ができる。

2022-12-02 22:25:50

(出典 @aomeyuki)

aomeyuki
@aomeyuki

「#シスター 夏のわかれ道 」続き。主人公と弟の最後の選択は情を重視しているだけで実は何の解決にもなっていないとも言えるけど、その情という結びつきが生まれて初めて踏み出せる事もあるよねという意味で大変アジア的。そういう結末を許容できる事もアジアで生きている事の利点とも思う。

2022-12-02 22:25:50

(出典 @aomeyuki)

aomeyuki
@aomeyuki

「#シスター 夏のわかれ道 」続き。それら映画の中に映し出される現代中国の姿が急速に進む近代化でもあり、伝統・慣習で身動きも取れない現状との間で揺れ動いているように感じた。ただその反復が生み出す活力が社会全体を前へ前へと運んでいるようにも感じた。

2022-12-02 22:25:49

(出典 @aomeyuki)

aomeyuki
@aomeyuki

「#シスター 夏のわかれ道 」観ました。ザ・アジアな家父長制と男尊女卑、その上一人っ子政策の歪みが1人の女性の肩に全力でのしかかる様子のしんどさも凄いけど、そんな中でも自分を貫こうとする主人公の姿、その背景に見え隠れする彼女ようには生きれない人々の選択も興味深い。

2022-12-02 22:25:49

(出典 @aomeyuki)

金曜日のスプマンテ
@spumante_venere

『シスター 夏のわかれ道』一人っ子政策が生んだ”姉”という存在の悲劇。賛否を生んだ結末は問題の困難さを示している。選んだ道が”正しかった”と考えるしかないのが、人生だと思います。

(出典 )

2022-12-02 20:31:27

(出典 @spumante_venere)

シネマなぎ
@backtotnenow

シスター 夏のわかれ道男尊女卑や階級等、外圧蔓延る息苦しさの中、一人の少女の闘いと願いで語る、自由や無条件の愛の尊さに涙 理不尽と思えた弟との生活が映すのは鏡合わせのような自身の寂しさや願望 それまでの因習を振り払い新しい世界を… https://t.co/U8lXPh9cvY

2022-12-02 20:03:21

(出典 @backtotnenow)

𝕞𝕖𝕘𝕦𝕞𝕚
@recordsnewly

『シスター 夏のわかれ道』を観てきた。私には悲しくてやるせない映画だった。怒りすら湧くような感覚もあった。あの終わり方で、その先がどうなるのか思いを巡らせてしまう。好きだけど、苦しくてもう一度は観られないタイプの映画がまた一つ増えたな。

2022-12-02 18:55:18

(出典 @recordsnewly)

北野左近
@KitanoSakon

本日、所用で愛知へ。帰りに時間があるので、なんか映画観ようかと検索していたけど、体調が今一つでそのまま帰ることに。で、ちょっとその観ようと思っていた映画「シスター夏のわかれ道」のHPを見ていたら、なんとメトロ劇場さんでの公開が決ま… https://t.co/BfiNB6zQhi

2022-12-02 18:45:47

(出典 @KitanoSakon)

M Emiko
@MarineWater

映画「シスター 夏のわかれ道」。一人っ子政策、家父長制、男尊女卑の社会の中で、両親には頼らず、自分の道を歩もうとしている若い女性。突然、両親が事故死し、6歳の弟の扶養を求められて・・・。揺れる心がよく分かる。

2022-12-02 18:03:29

(出典 @MarineWater)

COBALT/コバルト
@COBALT_films

疎遠だった幼い弟を引き取ることになり、養子に出すか、自ら育てていくか選択を迫られる主人公の葛藤を描いた中国映画『シスター 夏のわかれ道』鑑賞。一人っ子政策や男性優位主義を背景にした女性への人権侵害がテーマになっており、自分の道を切… https://t.co/gyOdzhABmc

2022-12-02 16:50:00

(出典 @COBALT_films)

坪井孝志
@gourmandminzoku

シスター 夏のわかれ道 を鑑賞。一人っ子政策の歪みを一身に喰らわされる主人公が不憫。上世代もそれぞれの状況や経緯があるので冷酷とまでは言わないけど、もうちょいなんとかならんのかという感じでつらい。望ましくない方向のラストで残念だけ… https://t.co/vZWIq0TbAQ

2022-12-02 02:12:59

(出典 @gourmandminzoku)

ミナミ@デレ1696RES16ウマUG2
@minami_sasa

シスター 夏のわかれ道。女性を襲う突然の両親の死、会ったこともない幼い弟、一人っ子政策の歪み。下手すれば反発を招きそうな人物像に観客の気持ちを寄り添わせていく多層的な積み重ねが見事。終盤は感情過多になり賛否ありそうだが、嘘をつくと鼻が伸びるをそう回収かと感心してしまった^_^

2022-12-02 01:14:38

(出典 @minami_sasa)

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

PICKUP
おすすめの記事