【衝撃の北朝鮮人間ドラマ映画『トゥルーノース』】過酷な場所で希望を捨てずに生き抜こうとする者たち。北朝鮮の政治犯強制収容所に生きる家族を描いた衝撃の人間ドラマ！

2023年4月2日 22分52秒

（出典 movie-architecture.com）

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1 過酷な場所で希望を捨てずに生き抜こうとする者たち。北朝鮮の政治犯強制収容所に生きる家族を描いた衝撃の人間ドラマ！
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3 映画レビューサイト「IMDb」Internet Movie Databaseの評価 [★6.9] (2023.04現在）
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過酷な場所で希望を捨てずに生き抜こうとする者たち。北朝鮮の政治犯強制収容所に生きる家族を描いた衝撃の人間ドラマ！

『トゥルーノース（True North）』は、北朝鮮の政治犯強制収容所で、過酷な毎日を生き抜く日系家族とその仲間たちの姿を3Dアニメーションとして完成させた衝撃作。

2020年制作の日本・インドネシア合作の3Dアニメーション映画。

レオナルド・ディカプリオも激賞したドキュメンタリー映画「happy – しあわせを探すあなたへ」（2012／ロコ・ベリッチ監督）のプロデューサーの清水ハン栄治の初監督作品。

北朝鮮の強制収容所に突然放り込まれた家族の地獄のような日々と、かすかに見える希望にすがって生きる姿を描いた。

実際に韓国、日本、アメリカで元収容者、元看守、脱北者や元看守などにインタビューを行い10年もの歳月をかけて作り上げたという。

「TRUE NORTH（トゥルーノース）」とは、「真に重要な目標」を指す英語の慣用句であり、自分がどの位置にいようともコンパスの針は常に北を指すことから「決して変わらない目指す方向、正しい方向」「生きる意味」という意味で使われるようになった。

『トゥルーノース』というタイトルには二つの意味が込められており、一つは「ニュースでは報道されない北朝鮮の現実」、もう一つは「絶対的な羅針盤」だ。

あえて3Dアニメーションで映像化することで、事実を元に作成したストーリーで大きな話題を呼んだ。

3Dアニメーションの造形について、清水ハン栄治監督は、「デフォルメし過ぎず、かつリアルにし過ぎず、というバランスに苦心しました。というのも、歪曲し過ぎて「これは別世界で起こっている話」と思われてはアクティビズムにならない一方、収容所の現実をリアルに表現し過ぎるとホラー映画みたいになって観客が感情的についていけない。全般的に造形のポリゴンが少なく見える（カクカクした折り紙みたい）様な素材感にして、登場人物との擬似体験を少しバッファーを掛けるなどの工夫もしました。」と語っている。

ストーリーは、1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民した家族の物語。

「これは私の家族の話だ」一人のアジア人男性が登壇し、彼の今日に至るまでの話を語り始める。

北朝鮮に生まれたヨハン。

党員である父と母と妹の4人家族で暮らしていた。

平壌で幸せに暮らすパク一家は、父の失踪後のある夜、母と妹と過ごしていたヨハンの前に憲兵が押し入ってきて、家中を荒らし回り、やがて母子3人は、捕らえられてしまう。

母子3人は、突如悪名高き政治犯強制収容所に送還されてしまう。

同じように捕らえられた人達と一緒にどこか分からない収容所に連れてこら、狭い部屋に連れて来られたヨハン達は、そこで重労働を強いられてしまう。

過酷な生存競争の中、主人公ヨハンは次第に純粋で優しい心を失い、他人を欺く一方、母ユリと妹のミヒは、人間性を失わずに生きようとする。

上官の関係者達の羨むような生活を悔しさをあらわにするヨハンだったが、今の生活でも健気に生きようとする母と妹を見て、ヨハンは泣かずにただひたすら生きてやろうと誓う。

ヨハンは、同様に食料を探していた孤児インスと出会う。

インスは、母親が処刑され、孤児となったところをヨハンの母親ユリに救われ、正義感の強い性格でヨハンの良き理解者となっていく。

その後、仲良くなったヨハンと孤児インスは、行動を共にする事が多くなっていく。

それから９年の月日が過ぎ、地獄のような生活は変わらぬままであったが、ヨハンの母は、常に人のために生きていて、苦しむ人を放っておけない優しい人だったので、ヨハンは、そんな優しい母を誇らしく思い、自らもそうありたいと考えていた。

しかし、そうできない事態が起きていく。

生きるためだから仕方ないとヨハンは周りの声を封印し、病気になってた妹のため、栄養のある物を食べさせたいと、孤児インスと食料を探しに出かけた際、同じく病気の妻を元気にしようと、老人がウサギ小屋からウサギを盗んでいる所を目撃する。

ヨハンは、ウサギ泥棒を捕まえた者に褒美が出ると聞いて老人の事を密告し、妹の食料を手に入れると共に監視役という大役を手に入れた。

ヨハンの密告により処刑されてしまったウサギ泥棒の老人の妻がヨハンを恨み、ヨハンの母を刺してしまう。

重症を負った母の回復の見込みは低く、すでに助からない状態。

重症の母は、ヨハンと妹を呼び「誰が正しいのではなく、誰になりたいのか。それが問題なの。それを考えなさい」・・・そう告げた母は帰らぬ人になってく。

ショックを受け自暴自棄になってしまったヨハン・・・ヨハンは絶望の淵で「生きる」意味を考え始める。

やがてヨハンの戦いは他の者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙が上がる。

本作では、収容所の過酷な現状だけでなく、家族愛、仲間との友情、死にゆく者への慈しみの心情などドラマ部分も丁寧に描き、希望を見出すことができる結末が待ち受けている。

『トゥルーノース（True North）』は、アニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威ある映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネート、第33回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」ほか、名門レインダンス映画祭では異例の２部門での招待作品となり、伝統あるワルシャワ国際映画祭ではフリースピリット部門の審査員特別賞、ナッシュビル映画祭では長編アニメ部門グランプリ。韓国のプチョン国際アニメーション映画祭では長編部門の特別賞に輝くなど世界中で話題となっている。

日本国内では本作が紹介されるや否や数多くの日本のマスコミがとりあげ話題となり、日本国内の映画配給権は争奪戦となった。

現在、Amazon PrimeとU-NEXTにて配信されている。